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help RSS Kamio Gallery No.476 ジャスパー・クロプシー

<<   作成日時 : 2007/11/22 21:00   >>

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19世紀中期のアメリカの絵画は、No.302で紹介したように、絵画を
描くことは清教徒にとっては享楽的なことで神への冒涜になったた
め、西欧にあった歴史画や宗教画はなく、肖像画くらいしかありま
せんでした。

そこに登場したのはヨーロッパにはない、むき出しの自然に対する
自然崇拝の信仰です。ですから、風景画が多く描かれ、それは宗教
画のように扱われました。この風景画を描いたグループをハドソン
リヴァー派といいますが、創始者はNo.302のトマス・コールです。
トマス・コールがハドソン川をさかのぼり、人類が未踏の地を描く
ことを自らに課して劇的な風景を描き出しました。彼の流れを組む
のがフレデリック・チャーチで、まさにむき出しの自然を描き出し
ました。19世紀後半にはアルバート・ビアスタットがロッキー山脈
の壮麗さを描き出しました。国立アメリカ美術館ではビアスタット
の巨大で壮大な風景画が飾られていました。ハドソンリヴァー派の
重要な画家だったのでしょうね。

画像


ジャスパー・クロプシー(1823-1900)
《ワワヤンダ湖》(1876) 30.5x51.4cm
アレン記念美術館蔵

その後、日光が絵画に及ぼす働きが注目されるようになりました。
それをジャスパー・クロプシーが描き出します。彼はハドソンリヴ
ァー派の「アメリカの秋の画家」と呼ばれました。この絵では左方
に赤く染まった紅葉があります。紅葉しない青々とした木々との対
象も目が惹かれます。また太陽が低く画面を夕日色に染めており、
おだやかに見える景色です。彼は西欧のバルビゾン派に傾倒してお
り、トマス・コールの劇的な絵画をバルビゾン派の絵画を折衷させ
て作品を制作しています。単にアメリカの珍しい風景を描くだけで
なく、バルビゾン派のジュール・デュプレにありそうな絵を描いて
います。

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ビエスタッド:風景は一期一会(前篇)
 アルバート・ビエスタッド(Albert Bierstadt 1830-1902 ...続きを見る
壺中水明庵
2007/12/30 12:25

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは(^^

水辺の表現が美しい、やさしい風景画ですね。
それでいて、この時代の画家に共通する、
大自然の侵しがたい荘厳さに対する敬虔な姿勢も
感じさせてくれます。
静謐で、刻が止まったような一瞬の光が、
澄明な空気感とともに迫ってきます。

mari
2007/11/22 23:14
ヨーロッパの風景画ばかりを見てきた目には、見慣れない絵に観えます。
油彩でこのように画くのは職人的な技法を要するのでは・・・と思ったりします。
バルビゾン派の絵画を折衷させて作品を制作されているそうですので
KGのジュール・デュブレを尋ねてみたいと思います。
ちろりん
2007/11/22 23:38
自分の大好きなハドソン・リバー派を取り上げてくださいましたね。さすが、アメリカに滞在された事のあるMonetさん、その中でも本当に素晴らしい絵を選んでくださいました。見事な選択です。自分好きと言っても、実際は一つ一つの絵をちゃんと記憶はしていません。この絵は見たことが無かったと思います。凪いだ瞬間の水面、丈の低い水辺の木々、どこか懐かしさが漂い、しかも神秘的です。しばらく堪能させていただきたいと思います。
アッキー@mixi
2007/11/23 00:47
しばらく旅行をしていたのでお返事がおそくなりました。
mariさん
ヨーロッパのやさしい風景に対して、画家たちはアメリカの風景はとても劇的に感じました。さらにヨーロッパで絵を買う人たちは、アメリカとはどんな素晴らしい景色があるのだろうという期待もあったと思います。実際に見た風景というよりも少々アレンジがあるのだろうと思います。しかし、この時代のアメリカの風景画は素晴らしいです。いくら作られた風景としても実際に見ていなければ描けないと思います。美しい風景をより美しく描いたのがこの時代の絵画だと思います。
神尾利明(Claude Monet)
URL
2007/11/27 10:18
ちろりんさん
ヨーロッパの風景には、劇的という言葉があまり似合いません。ヨーロッパの風景でも劇的な絵画を描きたいと思った画家はスカンジナビア半島を目指しました。しかし、アメリカの風景ほど受け入れられなかったです。やはり、アメリカに対する新しい世界という期待がヨーロッパ人にこれらの絵画が受け入れられたのでしょう。日本人にも受け入れられやすい季節を感じさせる絵ですね。
神尾利明(Claude Monet)
URL
2007/11/27 10:20
アッキーさん
ハドソン・リバー派はアメリカの絵画のベースとなって続いていくのかと思ったのですが、アーモリーショウなどヨーロッパの絵画が流れ込んでくるとあっという間に印象主義に席巻されてしまうのですね。ただ、この時期の絵画は多くの画家が挑んでいることからかなりの絵が残っています。この絵は紅葉に視点がいくようになっている絵ですが、紅葉が美しいと感じたのは日本人だけではないのですね。季節のうつろいを捕らえているところが日本人にも受け入れられると思います。
神尾利明(Claude Monet)
URL
2007/11/27 10:23

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